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ここ数ヶ月、円キャリートレードという言葉が、
市場を駆け巡っていたが、個人で出来るFX取引も
これに含まれるという、解釈も。
NIKKEI NETより
主婦の間で、携帯トレードが急増しているという話もあるが・・・
最近、円キャリートレードという言葉を頻繁に聞くようになった。2月末から3月初めにかけて世界中を駆け回った株式市場の下落の背景にはこの円キャリートレードの解消があると言われている。しかし、その実態はよくわかっていない。世界的に流動性が拡大する中、円キャリートレードの市場に対するインパクトは確実に増大しているようだ。とりわけ『貯蓄から投資へ』との大スローガンの下、意外にも個人マネーのキャリートレードは、あたかもマグマのエネルギーのようにその影響力を蓄積しつつある。
円キャリートレードとは
円キャリートレードとは、一般的に言えば低金利で調達した円を売って高金利の通貨を買い入れることにより、金利差を稼ごうという手法であると理解されている。しかし、最近のマーケットコメントやマスコミ報道をみると、この定義をはるかに超えた定義で、円キャリートレードという言葉が用いられているようだ。メディアに頻繁に登場する円キャリートレードの意味を調べ、整理すると以下のように異なる視点から円キャリートレードを分類することができよう。
(1)円での資金調達の有無
(2)取引対象・手法
(ア)現物
(イ)証拠金取引
(ウ)通貨先物
(エ)通貨先渡し
(オ)スワップ
(3)運用主体
(ア)ヘッジファンドに代表される海外投資家
(イ)アクティブ運用を行うトレーダー
(ウ)個人投資家・生保など日本の投資家
つまり一般にいわれる円キャリートレードとは、手法、主体、仕組みが異なるものを総称して述べてられている。中には、キャリートレードという言葉を安易に使う例が多々見られるが、そのことが実態をよりわかりづらくしているものではないだろうか。
借り入れによるキャリートレード
具体的に考えてみよう。まず最も一般的な表現は、ヘッジファンドが円やスイスフランのような低金利通貨で借り入れないしコール市場で調達してそれを豪ドル、NZドル、米ドルなどで運用するという類の事例である。
円キャリートレードという言葉が最初に登場したのは90年代後半にヘッジファンドが円売りを加速させたときからであるが、確かに日銀の資金循環勘定を見ると在日外銀の本支店勘定のうち海外送金分は90年代後半の5兆円程度から20兆円近くまで増加している。またヘッジファンドの運用額もここ数年で急激に増加しており、一見この表現は的を得ているように見える。
しかし、このような『借り入れ+高金利通貨買い』という取引が円キャリートレードの主体とは思えない。なぜなら、ヘッジファンドは投資信託形態をとるため借り入ができない上、グローバルマクロという手法で投資するヘッジファンドは市場の動きを予測してキャピタルゲインを狙う取引であり、インカムゲインを狙って資金を1年寝かせる投資には運用目標が合わないためである。したがって円を借り入れて高金利通貨で運用するというメディアで頻繁に登場する表現は正確ではない。
デリバティブを用いたキャリートレード
一方で、通貨先物を代表としてデリバティブでの運用は活発に行われ、レバレッジをかけることにより借り入れをしなくても低金利での調達と同じ効果を得ることができる。
上場されている通貨先物取引でみるとシカゴ商品取引所(CME)の円通貨先物とは1月末に過去最高の2.1兆円をつけたあと、3月初頭には8000億円弱の水準まで買い戻しが進んでおり、キャリートレードの解消が円相場を加速させた原動力としてこの通貨先物取引が主体的役割を果たしたことが伺える。
また直先スワップを通じて為替リスクを転換すれば同様の効果を得ることができる。ヘッジファンドや為替トレーダーは、このようなデリバティブを用いて高金利通貨のロングと低金利通貨のショートを組み合わせることで、実質的にキャリートレードを行っているものと思われる。
こういった為替トレーダーないしヘッジファンドが行う先物・スワップを用いたトレードは従来から存在しており、それが世界的な流動性の高まりの中、ポジションを拡大させてきたものと解釈される。
しかし、円キャリートレードが金利差に着目したサヤ取りの取引だとすれば、おそらくヘッジファンドやトレーダーが行う為替取引はいずれも市場予測による価格変動を先取りする動きであるので、厳密にはキャリートレードとはいえないのかもしれない。
個人投資家によるキャリートレード
一方で、日本の個人投資家によるデリバティブを用いたキャリートレードが最近注目され始めている。外国為替証拠金取引(FX)である。FXは98年の外為法改正で外貨取引が自由化されたのを契機に個人に取引が広がっており、いまや東京為替市場の2割~3割を占めるほどになっているといわれている。
このFXが個人に普及した大きな理由は、第1に外貨預金に比べ手数料が安いこと、第2に証拠金だけで10倍~30倍の取引ができ投資効率が高いこと、第3にネット取引が普及するなか24時間の取引が可能であり利便性が高いことなどである。FXの2007年3月末の残高は6700億円(矢野経済研究所推計)とここ数年急増しており仮にレバレッジが10倍だとすればそれだけで6兆から7兆円の円安圧力ということになる。
日本の個人投資家による外債運用
以上に加え、よく言われるのが日本の個人投資家による外債投資ないし、外国債券に投資する投資信託の購入である。個人の外債投資は極めてオーソドックスな海外投資であるため、これまでをキャリートレードに含めるのはおかしいという意見もあろう。しかし、日本最大の投資信託であるグローバルソブリンファンドへの個人投資家の投資目的を見る限りにおいて、国内預金の代替としての高金利ファンド投資との位置づけがあるのは否定できない。こういう観点からみると、個人投資家の外債・外債ファンド投資がキャリートレードの一部であるとの解釈もあながち間違いではないだろう。
実はこの種のキャリートレードは他のキャリートレードに比べ、圧倒的に大きな金額になっている。図は外国証券に投資する国際型の公募投資信託のうち為替をヘッジしない投資信託への純資産流入額を月次でみたものであるが、2005年あたりから円安トレンドと呼応するようにその額が増加している。最近は月間120億ドルペースで増加しており、年間でみると円換算で17兆円にも上る。またこういった資金は残高ベースではすでに3500億ドル、円換算では41兆円にも上るものと推計される。これに外債の直接投資を加えればその円安圧力は相当大きい。
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