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日銀が２日発表した３月の企業短期経済観測調査（短観）は、景気をけん引する企業部門が底堅さを維持する半面、米景気減速への懸念などから業績の先行きに対する不透明感も印象づけ、経営者の不安心理を映した。消費に明るい兆しは見えるが所得の増加はいまひとつで、家計にはなかなか恩恵が及ばない。次の利上げ時期をうかがう日銀の景気分析にも影響を与えそうだ。

　３月短観によると、２００７年度の企業（全産業）の設備投資計画は、前年度比２・９％増と年度当初ではバブル期以来の高さ。計画は４月以降上方修正される可能性が高く、５年連続で前年度比プラスになる見込みだ。

　ただ設備投資の主役である製造業は、業績を支える輸出の先行きを警戒している。背景には、米経済の減速や、円高進行への懸念がある。

　企業（全産業）の売上高は０７年度まで５年連続で増収となる見通しだが、０７年度の見込みは前年度比１・６％増と、０６年度の４・６％増に比べ低い。

（共同）